Ray Brown
Red Mitchell
Reggie Workman
Ron Carter
Sam Jones
Scott LaFaro
Stanley Clarke
Steve Rodby
Thomas Fonnes Baek

Wilbur Ware


Ray Brown

 

フレーズ難易度:
20代でディジーガレスピーのバンドに参加。その他、モダン・ジャズ・カルテット(Modern Jazz Quartet )、オスカー・ピーターソン・トリオ、ソニー・ロリンズ、デューク・エリントンとの共演など。ジャズベーシストといえばこの人といわれるくらい人気が高い。
演奏は前にプッシュするように弾くスタイルで有名。主にワンフィンガーで早いフレーズも弾きこなす。

 

譜面はオスカーピーターソントリオの一番有名なアルバムから。テーマ部分がどこまでアドリブでやっているのか判断できませんが、最初あたりのフィルイン。ハイポジションまで行くフレーズがカッコいい。

Red Mitchell

 

ベースを5度チューニングにして演奏した方と言えばこの方。オレゴン州出身。最初はピアノやアルト・サクソフォン、クラリネットを学んだ。その後、米軍でダブルベースを演奏した。ウディ・ハーマン、レッド・ノーヴォ、ジェリー・マリガンらとの演奏や録音を行う。1950年代初頭に西海岸のジャズ界に合流してからは、ハンプトン・ホーズ、ビリー・ホリデイ、スタン・セルツァー、オーネット・コールマン、タル・ファーロウやズート・シムズらと共演。1968年にストックホルムに移住してからは、クラーク・テリーやリー・コニッツ、ハーブ・エリス、ジム・ホール、ジョー・パス、ケニー・バーロン、ハンク・ジョーンズ、ベン・ウェブスター、ビル・メイズ、ウォーン・マーシュ、ジミー・ロウルズ、フィル・ウッズ、ロジャー・ケラウェイ、パット・ウィックマンらと共演。

 

 

ベースを5度チューニング(C-G-D-A)していることもあり、豊かな響きと通常より低い低音のアプローチが持ち味。後期はアンプと併せて音を出すスタイル。ソロはホーンライクなフレージングとアプローチ。歌心があり、素晴らしい。4ビートはちょうどよいプッシュ感が心地よい。


Reggie Workman

 

ペンシルバニア州出身。ピアノを8歳で学び、高校時代にチューバとユーフォニウムを吹く。ジジ・グライス、ロイ・ヘインズ、レッド・ガーランドなどとの共演を経て、ジョン・コルトレーンのグループに参加。その後、ジェームス・ムーディ、アート・ブレイキー、ハービー・マン、アーチー・シェップ、リー・モーガン、日野皓正らとも共演。

 

 

太いが芯がしっかりした音。本能で弾くような熱いプレイスタイル。ソロのフレージングもメロディ的なアプローチではなく、雰囲気に合ったラインを選択するスタイル。しっかりしたグルーブ感と安心感で共演者は非常に多い。


Ron Carter

 

フレーズ難易度:

 

もともとはクラシックの奏者を目指していたが、ジャズに転向。チコ・ハミルトンのグループでプロデビュー、その後、キャノンボール・アダレイ、ボビー・ティモンズを経て、マイルス・デイヴィスに起用され有名に。V.S.O.P.クインテットやグレート・ジャズ・トリオなどにも参加。共演者はトミー・フラナガン、ローランド・ハナ、シダー・ウォルトン、ゴンサロ・ルバルカバ、ハンク・ジョーンズ、ジム・ホール、ハービー・ハンコック、トゥーツ・シールマンス、アントニオ・カルロス・ジョビンなど

 

ブラックナイロン弦を使っており、音色が特徴。ピッチはあまりよくないが、はまった時のグルーブやグリッサンド、バンド内での存在感は素晴らしい。日本でCMに出演したこともあり、日本での知名度は高い。

 

譜面は枯葉のサビ部分。Am7-D7のツーファイブフレーズ。王道のビバップフレーズ。ロンは、フレーズにプリングハンマリングを使うことが多いが、1小節目の4拍目も使用している。

 


Sam Jones

 

キャノンボール・アダレイとの共演が多いベーシスト。フロリダ州出身。 ボビー・ティモンズ、イリノイ・ジャケ、フレディ・ハバード、ディジー・ガレスピー、セロニアス・モンク、バリー・ハリス、キャノンボール・アダレイ、、オスカー・ピーターソン、シーダー・ウォルトン等と共演。作曲家としても知られ、「Del Sasser」や「Unit 7」を作る。

 

 

非常に強いタッチ。豪快なフレージングが特徴。フレージングはビバップ基調のスタイル。不器用な感じもするが、しっかり歌があるフレージングと重厚な音とが相まってとてもかっこいい。


Scott LaFaro

 

フレーズ難易度:

 

ビル・エヴァンスのトリオで一番有名なベーシストと言えばこの人。若くして亡くなった天才。小さいころからピアノなどを演奏し大学入学前にコントラバスに転向。チェット・ベイカー、パーシー・ヒース、ヴィクター・フェルドマン、スタン・ケントン、ベニー・グッドマンなどとの共演を経て、ビル・エヴァンスと共演。これまでのベースの役割とは変わって、ソリストと対等な立場で演奏するスタイル(インタープレイ)が有名。

 

プレイスタイルは、エヴァンスのトリオ以外はオーソドックスなスタイル。エヴァンスのトリオの際は、より自由なプレイスタイルに。速くてスケールライクなソロが特徴。20代でこの演奏レベルなところが天才たる所以。

 

譜面はのCのドミナントペダル部分。本来ペダルの場合、9thの音は入れないし、2拍3連で弾かないが、インタープレイにおけるペダルの役割かつ自由なラインが特徴的なので取り上げてみました。

 


Stanley Clarke

 

エレキとウッドの両刀使いで最も有名なベーシスト。ペンシルベニア州出身。幼少時にヴァイオリンやチェロを始める。14歳でコントラバス(ウッドベース)に転向。19歳でニューヨークへ移住し、ホレス・シルバー、アート・ブレイキー、スタン・ゲッツなどと共演。1972年に、チック・コリアらとリターン・トゥ・フォーエヴァーを結成。共演者も幅広く、ジョージ・デューク、アル・ディ・メオラ、アイアート・モレイラ、マーカス・ミラー、ヴィクター・ウッテン、レニー・ホワイト、ジェフ・ベック、上原ひろみ等。作曲家としても、自身のバンドの曲や映画音楽も手掛ける。エレキとウッドを両方高いレベルで演奏できる。後のベーシストに大きな影響を与えるベースヒーローの一人。

 

プレイスタイルは、長い指から繰り出される早いフレーズ、超絶技巧が特徴。手を激しくネックやボディに叩きつけてパーカッシブな音を出すなどパーカッシブなアプローチも多い。グルーブ感も抜群。大きいステージが多いせいか、ピックアップに頼ることが多く音色は電気的な音。弓も上手い。フレージングはスケールライク(ペンタトニック)なフレーズが多い。

 


Steve Rodby

 

パット・メセニーグループのベーシストと言えばこの人。イリノイ州出身。12歳の時にアコースティック・ベース、エレクトリック・ベースを始める。シカゴでミルト・ジャクソン 、 ジョー・ヘンダーソン 、 アート・ファーマーと共演。その後、パット・メセニーグループに参加。主要メンバーとして活躍。

 

 

 

プレイスタイルは、エレキベースとウッドベースの両方を使う(主にウッド)。ベースは堅実かつタイトなプレイ。音色も太すぎず、電気的すぎずバランスが良い。プロデューサーとしての面もあり、ソロはあまりとらず、楽曲全体を考慮した的確なプレイが多い


Thomas Fonnesbæk

 

フレーズ難易度:

 

日本でも人気の高いピアニスト、ラーシュ・ヤンソンの最近のトリオのレギュラーメンバー。デンマーク出身。ペデルセンやラーシュ・ヤンソンに師事。テクニック、音色、ソロの歌い方なども素晴らしい。あまり日本では知られていないが、とても素晴らしいプレイヤーなので今後が期待。

 

プレイスタイルは、ペデルセン直系のプレイ。3フィンガースタイルではないが、左手は4フィンガースタイル。早いフレーズと比較的良いピッチが特徴。ソロも歌心がある。

 

譜面はソロ冒頭から。アウフタクトで入る、よくあるブルージーなフレーズから。Gmのペンタトニックフレーズから、Cm7-F7風フレーズ。後半はBbの分散和音だが、この速度で正確に弾くにはかなり練習が必要。譜面にないフレーズもかっこいいので必聴! 

Wilbur Ware

 

シカゴ出身。独学でバンジョーとベースを始める。1940年代後半には、スタッフ・スミス、ソニー・スティット、ロイ・エルドリッジと共演。その後、エディー・ヴィンソン、アート・ブレイキー、セロニアス・モンク、ジョン・コルトレーンと共演。他にも、リー・モーガン、ソニー・クラーク、ケニー・ドーハム、ケニードリュー、グラントグリーン、ジョニー・グリフィン、ハービーマン、ブルーミッチェル、ソニー・ロリンズ、トゥーツ・シールマンス、アーチー・シェップなど豪華。ソニーロリンズの「Night at the Village Vanguard」は有名。

 

 

プレイスタイルは、独特のリズムアプローチと音の選択の仕方が特徴。サスティンは短めそで太くて丸い音。ソロはリズム的なアプローチが多い。グルーブ感重視のフレーズはベーシストらしいフレーズとして参考になる。